作中でナルトが孤独を癒やし、恩師・うみのイルカや自来也、チームメイトのカカシ、サクラ、サスケたちと絆を深めた「ラーメン一楽」。店主のテウチと娘のアヤメが温かく迎えてくれるあの空間は、原作者である岸本斉史氏の学生時代の思い出からそのまま生み出されたものです。
岸本氏は漫画家を志していた青年期、福岡市東区にある九州産業大学に通っていました。当時のキャンパスライフを支え、毎日のように通い詰めていたのが、大学のすぐ目の前にあった「一楽ラーメン 九産大前店」でした。お金のない学生時代に胃袋を満たしてくれたラーメンの美味しさと、威勢よく温かい店内の空気感が強く心に残り、デビュー後の連載でナルトの大好物として作品の中核に据えられることになりました。
作中の店名「一楽」がそのまま使われていることからも、岸本氏にとってどれほど思い入れの深い場所であったかがうかがえます。単なる架空の料理ではなく、作者本人の原体験と青春の熱量が宿っているからこそ、作中のラーメンは読者の胸を打ち、食欲を刺激し続けています。