万座温泉エリアにおいて、万座高原ホテルが唯一無二の存在感を放つ最大の理由は、敷地内に広がる大スケールの「石庭露天風呂」にあります。渓流沿いの自然地形を活かして配置された露天風呂には、合計8つの浴槽が点在。そのうち7つが混浴風呂、1つが女性専用風呂(百泉の湯)として運用されています。
特筆すべきは、単一の浴槽を並べているのではなく、ホテルが保有する「姥湯(うばゆ)」「姥藤(うばふじ)」「大滝(おおたき)」「プリンス」という4つの異なる自家源泉を絶妙に引き分けている点です。浴槽ごとに湯口から注がれる源泉が異なるため、透明度の高いエメラルドグリーンから、白濁した濃厚な硫黄泉、微細な湯の花が舞う黄色がかった湯まで、視覚的にも湯触り的にも劇的な違いを体感できます。
国内有数の酸性硫黄泉(硫化水素型)である万座の湯は、冷え性の改善や疲労回復だけでなく、古い角質を軟化させる美肌作用や血行促進作用が高いことで知られています。石庭露天風呂では湯船ごとに40度前後のぬる湯から43度以上の熱湯まで温度差が設けられており、時間をかけて複数の浴槽を渡り歩く「温冷・泉質交互浴」が可能な環境が整っています。
気になる混浴エリアの運用について、現地では専用の「湯浴み着」または水着に準じる規定着の着用が厳格にルール化されています。女性は透けにくい厚手のワンピース型湯浴み着、男性は専用のトランクス型パンツの着用が必須となっており、かつてのような「バスタオル巻きのみでの入浴」は禁止されています。売店での販売やレンタル体制が定着したことで、若いカップルやファミリー層でも視線を過度に気にすることなく、大自然に囲まれた開放的な湯浴みを楽しめる環境が確立されています。