全13種類あるボークの中でも、実際の試合で大半を占めるのが「セットポジションでの静止不足」と「牽制・偽投に関する違反」です。
セットポジションでは、グラブとボールを胸や腹の前で合わせ、「身体全体が目視で確認できるレベルで完全に静止」しなければなりません。投手が「止まった」つもりであっても、手が微かに動いていたり、首を動かした反動で身体が流れていたりすると、審判から即座にボークを取られます。特にピンチの場面では、ランナーを警戒するあまり静止が短くなりがちです。
また、牽制における「足の踏み出し角度(いわゆる45度ルール)」も審判が目を光らせるポイントです。右投手の一塁牽制や左投手の三塁牽制では、踏み出した足が本塁寄りかベース寄りかで判定が分かれます。さらに、「二塁への牽制はプレートを踏んだままの偽投が認められている」のに対し、「一塁と三塁への偽投はプレートから軸足を外さなければボーク」になるというルールの非対称性も見落としやすい罠となっています。