航空ファンの枠を飛び越え、旅行者や就活生の間で社会現象化しているANA Blue Base 見学ツアー。「発売日を待機していたのに開始3分で全枠×印に変わった」「カレンダーを開いた瞬間には土日が消滅していた」といった嘆きが投稿され続けている。このANAブルーベース 予約取れないという現象の裏には、商業テーマパークとは一線を画す明確な構造的理由が存在する。
第一の理由は、受け入れ規模の絶対的な小ささにある。ABBは観光施設ではなく、現役クルーや新人訓練生が国家資格の取得や定期審査に向けて日々極限の訓練に臨む実動拠点だ。ツアーでは安全保安上の観点および訓練への配慮から、1グループの定員がわずか10名前後に絞り込まれている。1日に案内される便数も限られており、週末ともなれば全国から予約アクセスが集中するため、倍率は数十倍から時期によっては100倍超へと跳ね上がる。
第二の理由は、オープン以来進化を続ける展示内容のクオリティだ。従来の整備工場見学(格納庫見学)が「航空機の大きさや構造」を観察する場だとすれば、ABBは「空の仕事に携わる人間の極限スキル」を観察する場である。訓練生の張り詰めた緊張感、教官の鋭い眼差しをガラス1枚隔てた距離で目撃できる唯一無二の希少性が、リピーターを生み出し続ける原動力となっている。