受傷直後に最も多い疑問が「ヒビなのか骨折なのか」という点です。医学的には、骨にヒビが入る「不全骨折」も骨が完全に折れる「完全骨折」も同じ骨折に分類されます。外見だけで両者を厳密に区別することは医師でもレントゲン検査なしには困難ですが、現場での判断材料となる典型的な兆候が存在します。
足指骨折が疑われる場合、受傷から数時間以内に指全体が赤紫色に変色する広範囲の内出血が生じ、通常の打撲よりも明らかに強い拍動性のズキズキとした痛みが持続します。また、指の軸方向に沿って軽く圧迫を加えた際に激痛が走る「軸圧痛(じくあつつう)」がある場合、骨折の可能性は極めて高くなります。
受傷直後に行うべき応急処置は、最新の外傷処置プロトコル(PEACE原則)に基づいた適切な保護とアイシングです。
まず靴や靴下を脱いで患部を安静に保ち、氷嚢や保冷剤をタオルで包んで1回15〜20分程度冷却します。冷やしすぎによる凍傷を防ぎつつ、炎症と内出血の広がりを最小限に抑えます。就寝時や安静時はクッションなどを足の下に置き、患部を心臓より高い位置に保つ(挙上)ことで、翌朝の急激な腫れを大幅に軽減できます。