アニメーション制作における作画とは、画面内で動く被写体(キャラクター、動物、エフェクト、メカなど)の絵を描く作業全般を指します。背景美術(動かない風景や部屋の描写)やCG処理、彩色とは明確に区別される制作セクションです。
日常会話では「背景も含めた画面全体のビジュアル」を指して作画と呼ぶケースも見受けられますが、本来の制作現場における作画は「動きを創出するプロセス」そのものを意味します。ここで混同されやすい関連用語の決定的な違いを整理しておきましょう。
まず、1枚で完結する「イラスト」とアニメの作画では、求められる技術体系が異なります。イラストが構図・光暗・質感の完成度を1枚の平面上で極限まで追求するのに対し、アニメの作画は「前後の絵との連続性」「立体的な空間内での運動感」を重視します。どれほど美麗な絵であっても、前後のカットと動きが繋がらなければアニメの作画としては成立しません。
作画の内部工程は、主に「原画」と「動画」の2段階に分かれています。
- 原画(キーアニメーション):動きの起点、中間点、頂点、終点となる「重要なしぐさやポーズ(キーフレーム)」を描く作業。動きの設計図であり、キャラクターの感情表現や演技の質を決定づけます。担当するクリエイターは原画マンと呼ばれます。
- 動画(インビトウィーン):原画と原画の間に絵を挟み込み、滑らかな連続運動に仕上げる「中割り(なかわり)」の作業。原画のシャープな線を綺麗にクリンナップ(清書)する役割も担います。
なお、漫画における「原作・作画の違い」についても触れておくと、ストーリーやセリフ・設定を構築する「原作」に対し、それを実際のコマ割り、キャラクター描写、ペン入れへと落とし込む工程を「作画」と呼びます。分業制の漫画では、それぞれの専門性が掛け合わさることで爆発的なヒット作が生まれる構造になっています。