そもそも茄子は、植物学的にはナス科 (Solanaceae) に属する野菜で、その果肉の約90パーセント以上が水分と空気を含んだ無数の微細な空洞で構成されている。加熱前の果肉はまさに天然のスポンジそのものだ。
油をひいたフライパンにそのまま投入すると、空洞部分が油を際限なく吸い上げてしまい、結果として油っこく重たい仕上がりになってしまう。食品産業の調理科学分野でも長年研究されてきたこの課題だが、解決策は極めて明快だ。あらかじめ塩水に数分浸すか、電子レンジで余分な空気を抜いて組織を凝縮させておくことで、油の吸収量を最大で半分以下に抑えつつ、トロトロの食感だけを引き出すことができる。