死体花ショクダイオオコンニャクの怪!激臭の理由と2026年開花情報

死体花ショクダイオオコンニャクの怪!激臭の理由と2026年開花情報

死体花ショクダイオオコンニャクの怪!激臭の理由と2026年開花情報の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。

ショクダイオオコンニャク(学名:Amorphophallus titanum)が放つ異臭は、園芸植物の甘い香りとは対極に位置します。現地を訪れた来園者が口を揃えて「真夏の生ゴミ処理場」「放置された動物の死骸」「腐った魚と生ゴミを煮詰めた臭い」と表現するこの悪臭の正体は、植物自身が合成する複数の揮発性有機化合物による化学カクテルです。

筑波実験植物園をはじめとする国内外の研究機関によるガスクロマトグラフィー分析では、悪臭を構成する主成分として以下の物質が特定されています。

・ジメチルトリスルフィド(DMTS)およびジメチルジスルフィド(DMDS):腐敗したタマネギや肉が分解される際に生じる強烈な硫黄系の悪臭物質。
・トリメチルアミン:魚が腐敗したときに生じる特有の生臭さの原因物質。
・イソ吉草酸:蒸れた足の裏や汗の酸敗臭を思わせる刺激臭物質。

これらのおぞましい臭気をブレンドすることで、熱帯雨林の中で動物の死骸に擬態しているわけです。ショクダイオオコンニャクの自生地であるインドネシア・スマトラ島の低地熱帯雨林は、鬱蒼とした木々に覆われ風がほとんど通りません。風媒花のように風で花粉を運ぶことができない環境下で、受粉媒介者(ポリネーター)として選んだのが、死肉や動物の糞に集まるクロバエ科のハエやシデムシ類でした。

さらに驚嘆すべきは、この植物が自ら熱を発する「発熱植物(テルモジェニック・プラント)」である点です。開花初日の夜、中央にそびえ立つ肉穂花序(にくすいかじょ)の温度は一気に上昇し、外気温より10℃以上も高い36℃〜38℃前後に達します。これはまさに死にたての哺乳類の体温そのものです。熱によって悪臭成分を一気に気化させ、漆黒のジャングルの中で数百メートルから1キロメートル先まで臭いの煙幕を張り巡らせることで、夜行性の甲虫たちを正確におびき寄せています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。