『あずさ2号』を語る上で欠かせないのが、歌い手である狩人(加藤久仁彦氏・加藤高道氏)の兄弟関係と、半世紀に及ぶ音楽的歩みです。
兄弟デュオとしての活動は、常に順風満帆だったわけではありません。デビュー直後から大スターとなった彼らは、音楽性の違いやプロ意識の衝突から、幾度かの活動休止や不仲説、解散報道を経験しました。それぞれがソロ歌手やタレントとして活動した期間もありましたが、2010年代以降は互いのボーカル技術を再評価し、限定的な再結成や昭和歌謡コンサートへの出演を重ねてきました。
2026年現在においても、久仁彦氏の艶やかな低音・中音域と、高道氏の伸びやかで力強いハイトーンボイスの調和は健在です。テレビの特番や公式ステージで見せるパフォーマンスは、年齢を重ねたことでより深みを増しており、ネット上のコミュニティ(SNSや動画配信プラットフォーム)でも「口から音源以上」「今の若い歌手には出せない圧倒的なドラマ性がある」と絶賛されています。
また、ネット上では「主人公の女性は身勝手ではないか」「婚約者がいるのに昔の男に未練たらたらなのは不誠実だ」といった現代的な倫理観に基づく意見も散見されます。しかし、そうした生々しい人間臭さや矛盾こそが、歌謡曲が持つ文学的なリアリティであり、令和の時代にも聴き手を惹きつけてやまない理由となっています。