地元住民から長年愛され、常に賑わいを見せていた「焼肉眞一館八王子宇津木台店」がなぜ撤退を選んだのか。眞一館八王子宇津木亭閉店の理由については、単一の要因ではなく、外食産業が直面した複数の構造変化が重なった結果であると分析されています。
第一の理由は、建物の老朽化と大規模な維持管理コストの増大です。八王子宇津木亭は、バブル期から平成初期にかけての贅を尽くした大型ロードサイド建築であり、広大なフロアと多数の完全個室、充実した無煙ロースター設備を誇っていました。しかし、築年数の経過に伴う空調・ダクト設備の刷新には数千万円単位の設備投資が必要となり、費用対効果の観点から契約満了を機に撤退が判断されたとみられます。
第二の要因として挙げられるのが、外食業界全体を襲った深刻な人手不足と「羽村総本店」への経営資源集中です。帝国データバンクの飲食業動向調査などでも示されている通り、熟練の肉職人やサービススタッフの確保は年々難易度を増しています。質の高いA5ランク和牛の目利きと行き届いた接客を維持するため、複数店舗へリソースを分散させるのではなく、ブランドの旗艦店である「眞一館 羽村総本店」へ資本と人員を集約させる経営判断が下されたというのが、業界関係者の間で一致している見方です。