退職後の選択肢は国民健康保険だけではない。かつての勤務先で加入していた全国健康保険協会(協会けんぽ)や各種健康保険組合にそのまま居残り続ける「健康保険任意継続制度」が強力な選択肢として立ちはだかる。
任意継続では、これまで会社が折半してくれていた保険料を全額自己負担(2倍)することになる。一見すると大損に見える。だが、ここには法的な上限額(標準報酬月額のキャップ)が設けられている。高所得者層ほど、天井のない国民健康保険に切り替えるより、任意継続を選んだ方が圧倒的に支出を抑えられるという逆転現象が起きるのだ。扶養家族が多い場合も同様だ。国民健康保険には「扶養」という概念がなく、家族の人数分だけ均等割が加算される。事前のシミュレーションを怠る行為は、自ら資産をドブに捨てるに等しい。