松本孝弘の音楽キャリアは、徹底した現場叩き上げのスタジオワークからスタートしました。10代の頃からディープ・パープルやマイケル・シェンカー・グループ、エアロスミスといった洋楽ハードロックに心酔し、卓越したフィンガリングと正確なリズム感を研鑽。20代前半には既にスタジオミュージシャンとして業界内で高い評価を得ていました。
特に松本孝弘の若い頃を語る上で欠かせないのが、TM NETWORKのサポートギタリスト時代です。小室哲哉が構築する最先端のエレクトロ・ポップサウンドの中で、松本のエッジの効いた生ギターはアンサンブルの強力な推進力となっていました。当時のツアーやレコーディングで培った「アレンジの緻密さ」「ステージ上での見せ方」、そして「デジタルとアナログの融合ノウハウ」は、後のB'zのサウンドデザインにおける強固な基盤となっています。
1988年、音楽制作会社ビーイングの門を叩いた稲葉浩志と出会い、B'zを結成。「自分のバンドを持ち、自らのギターサウンドを主軸にしたポップ・ロックを鳴らす」という松本の明確なビジョンは、シングル『BAD COMMUNICATION』のスマッシュヒットを皮切りに、社会現象へと発展していきました。