作曲を手掛けた三井誠によるメロディラインは、美しい哀愁を湛えながらも決して湿っぽくならない。洗練された都会的なコードワーク、軽快な8ビートのグルーヴ、そして印象的なシンセサイザーのリフ。これらは80年代から脈々と受け継がれてきたシティ・ポップのエッセンスそのものだ。
華美なベルの音やストリングスに頼りすぎないソリッドなバンドアンサンブル。引き算の美学によって構築されたサウンドデザインが、時代による風化を完全に防いでいる。流行の音色に迎合しなかったからこそ、30年以上経った今もエバーグリーンな魅力を放ち続ける。