素材のポテンシャルを極限まで高める最も美味しい食べ方は、火入れの加減にかかっている。香りと歯ごたえを殺さないプロのテクニックを明かそう。
まずは王道の「天ぷら」。水分を丁寧に拭き取ったこごみに薄く小麦粉をまぶし、冷水で溶いた衣を軽快にくぐらせる。油の温度は170度から180度。揚げ時間はわずか40秒から1分程度で十分だ。衣がカラッと立ち、中心にわずかなシャキ感が残る瞬間に引き上げる。塩をひと振りして噛み締めれば、油のコクと相まって独特の甘みが口いっぱいに広がる。
もうひとつの真骨頂が「おひたし」だ。沸騰した湯に1%程度の塩を加え、1分から1分半ほど手早く茹でる。鮮やかなエメラルドグリーンに変わった瞬間に冷水へ落とし、熱の進行をピタリと止める。出汁と淡口醤油、みりんで仕立てた浸け地に浸せば、瑞々しいぬめりと出汁の旨味が調和した至福の小鉢に仕上がる。ゴマ和えやクルミ和え、あるいはマヨネーズと醤油を合わせたディップも相性抜群だ。