東京から新幹線とローカル線を乗り継いだ先にある山あいの町。数年前まで少子高齢化に頭を悩ませていたこの場所に、今では全国から若者が押し寄せている。
きっかけは、地域の伝統産業とタイアップした体験型ツーリズムだ。参加者は豊かな自然に囲まれた古民家に滞在し、地元の職人と共にものづくりに没頭する。過剰なデジタル環境から離れ、手を動かし、地元の人々と温かい言葉を交わす。そのプロセス全体が、都会では味わえない豊かな時間として評価されている。
町長は目を見張る。「若者たちが町を歩き、笑顔で『ここには本当に福がある』と言ってくれる。シャッターが目立っていた商店街に、新しい店が少しずつ増え始めました」。地域経済の活性化にとどまらず、住む人の誇りを取り戻すきっかけにもなっている。