この店のぼたもちが他と一線を画すのは、その絶妙な甘さのコントロールにある。あんこは甘すぎず、小豆本来のコクと香りがしっかりと引き出されている。これには、長年培われた火加減と砂糖の配合比率が関係しているという。
さらに、中の餅米は半殺し(適度に粒感を残した状態)にされており、噛むたびに米の自然な甘みと、あんこの塩気が絶妙に絡み合う。このバランスがあるからこそ、大ぶりなぼたもちでありながら、不思議と2個、3個と手が伸びてしまうのだ。毎朝、その日の気温や湿度に合わせて職人が米を蒸し、あんを練り上げる。この繊細な手仕事こそが、機械には真似できない唯一無二の味を生み出している。