私たち人間は、赤・緑・青の3つの光の三原色を感じ取る「三色型色覚」を持っています。しかし、ひよこをはじめとする鳥類の多くは、これに紫外線を加えた「四色型色覚(テトラクロマシー)」を備えています。眼球内の錐体細胞(色彩を識別する細胞)に紫外線受容体が存在し、さらに油滴と呼ばれるフィルターが各受容体に配置されているため、人間よりもはるかに豊かで緻密なグラデーションを識別可能です。
この特異な視覚構造は、自然界で生き抜くための必然から進化しました。親鳥の羽毛の微小な紫外反射パターンを見分けたり、散らばった穀物や昆虫の鮮度・種類を瞬時に判別したりする際に威力を発揮します。ひよこの生態と最新情報を扱う比較視覚科学の分野でも、孵化後わずか数時間のひよこが特定の色相や紫外パターンに対して明確な選好性を示すことが確認されています。私たちが「ただの薄暗い空間」と感じる場所でも、ひよこは全く異なる鮮烈な光景を捉えています。