「一昔前なら、みんなで同じJ-POPヒット曲を合唱するのがお約束でした。でも今は違います」——都内で複数の店舗を手がけるオーナーは、そう切り出した。店内では、昭和ポップスのディープなトラックから最新の海外インディーズ、はたまたハイパーポップまで、信じられないほど多彩なプレイリストが矢継ぎ早に流れる。
客層の変化も著しい。個室で身内だけで完結するカラオケボックスとは異なり、オープンな空間で音を共有するスタイルが好まれている。見知らぬ誰かが歌うマイクの声に自然と手拍子が起き、曲が終われば店全体が拍手に包まれる。家でも職場でもない、素の自分を出せる「サードプレイス」としての居心地の良さが、多忙な現代人の心を捉えて離さないのだ。