今や日本屈指の予約困難店としてその名を轟かせる同店。今回、本誌は特別に開店前の静けさが漂う店舗への密着取材を許された。仕込みは早朝から始まる。届いたばかりの丸鶏の手触りを確かめ、骨のきしみを聞き分けながら、寸分の狂いもなく切り分けていく。その作業に無駄な口数は一切ない。
「鶏は生き物ですから、日によって身の締まりも脂のノリも違います。毎日同じ切り方をしていては、最高の焼き上がりには届きません」。職人の静かな言葉が、ピンと張り詰めた厨房に響く。一見するとシンプルな焼き鳥という料理が、ここでは極限まで研ぎ澄まされたアートへと昇華されている。