しかし、2010年代半ば以降、日本の大学が置かれた環境は急速に厳しさを増した。18歳人口の急減に伴い、地方や中規模の私立大学では定員割れが常態化。文部科学省が打ち出す定員管理の厳格化政策や財務健全化の要請が、経営の重圧となって押し寄せた。
こうした未曾有の危機に対し、打ち出された切り札が「神戸山手大学統合・キャンパス再編プロジェクト」であった。舵取りを担ったのは、学校法人濱名山手学院の理事長であり、関西国際大学の総長を務める濱名篤である。濱名篤は、単なる組織の縮小や生き残り策ではなく、「アクティブ・ラーニング」や「アセスメント(教育評価)」を強みとする関西国際大学の教育ノウハウを神戸山手大学の資源と融合させるビジョンを掲げた。伝統を守るために変化を受け入れる――その決断の裏には、生き残りをかけた凄まじい攻防が存在していた。