従来のSASUKE 3rdステージにおけるクリフハンガーは、段差の上り下りや対面への飛び移りなど「視界の範囲内」で行われる移動が基本でした。しかし、第31回大会で初登場したクレイジークリフハンガーは、その前提を根底から覆す構造を採用していました。
最大の難所となったのが、第2突起から第3突起への「背後1.8メートル跳躍」です。挑戦者は進行方向とは真逆の後方へ、身体を大きくスイングさせてブラインドジャンプしなければなりませんでした。指先をかける突起の幅はわずか3cm。空中で完全に手を離し、後方の細い足場を目視で捉えながら指先だけで全体重を受け止める動作は、物理的な保持力だけでなく極限の恐怖心に打ち勝つ強靭なメンタルを要求しました。
第3ステージの後半に配置されていたため、前段のパイプスライダーやフライングバーなどで前腕の握力を削られた状態で挑まねばならず、多くの有力選手が空中へと消えていきました。「一度落ちたら即脱落」というプレッシャーのなか、まさにクレイジー(狂気)の名の通り、人間離れした身体操作が求められたのです。