丸紅で社会人としてのキャリアを重ねていた頃、人生の転機が訪れる。石破茂氏の父・石破二郎元自治相の急逝だった。銀行員として働いていた茂氏は、父の志を継ぐべく政界進出を決意。鳥取へ戻り、次期衆院選への立候補準備を始めることとなった。
この激動のタイミングで、茂氏は再び佳子夫人に交際と結婚を申し出た。彼女は地方政治の世界へ飛び込むリスクや厳しさを理解しつつも、彼の信念と誠意を受け入れ、共に歩む道を選んだ。昭和の終わり、政界の若きホープの妻として、彼女は住み慣れた東京を離れ、夫の故郷・鳥取へと移り住むことになったのだ。華やかな東京での商社生活から一転、泥臭いドブ板選挙の世界への突入。彼女の人生における最大の決断だった。