『イッテQ』が従来の海外紀行番組やバラエティと一線を画している最大の要因は、「ディレクターをはじめとする制作スタッフが演者と同等のキャラクターとして画面に登場する」という演出手法にあります。
その筆頭が、元極東電視台所属でイモトアヤコさんの担当ディレクターを務め、のちに結婚へと至った石崎史郎ディレクターです。過酷な登山ロケや極地探訪において、演者以上にヘトヘトになりながらも本音でぶつかり合う姿は、単なる「撮影スタッフ」の枠を超えた人間味あふれるドキュメンタリーを生み出しました。
また、「武闘派」として知られる大内ディレクターや、出川哲朗さんとの絶妙な掛け合いを見せるスタッフ陣など、歴代の制作陣が残した足跡は数知れません。テレビ関係者の証言によると、これらの演出は台本に基づいた作為的なものではなく、「演者と制作スタッフが同じ極限状態を共有することで生まれるリアルな感情の摩擦」をあえて編集でカットせずに活かした結果だといいます。
現地での過酷な撮影現場では、ディレクター自らが事前に危険なアクティビティをテスト体験し、安全性を確認した上で演者を現場へ送り出します。単なる指示役に留まらず、自ら泥をかぶり危険を引き受ける姿勢こそが、出演タレントとの強固な信頼関係を担保しています。