M-1グランプリの醍醐味の一つが、極寒の屋外特設ステージから這い上がってくる「敗者復活枠」の存在です。敗者復活戦からの歴代優勝者として金字塔を打ち立てたのが、2007年のサンドウィッチマンと2015年のトレンディエンジェルです。
2007年のサンドウィッチマンは、当時全国ネットでの知名度がほぼゼロの状態から、大井競馬場の敗者復活戦を勝ち上がりました。テレビ朝日スタジオに到着するや否や披露した「街頭アンケート」のネタは、精緻に組み立てられたボケと伊達みきの鋭いツッコミが完璧に噛み合い、スタジオの空気を一変させました。予選でのプレッシャーから解放され、「失うものは何もない」という無欲の境地が生み出す凄まじい熱量は、敗者復活組ならではの強力な武器となります。
また、2015年に復活優勝を果たしたトレンディエンジェルも、自虐的な薄毛ネタを軽快なリズムと圧倒的なポップさで演じ切り、会場のボルテージを最高潮へと導きました。屋外の過酷な環境で数千人の観客を沸かせてきた「仕上がった状態」のまま本戦の熱気に飛び込むアドバンテージは、時にシード組の緻密な計算を凌駕する威力を発揮します。