親子丼の命とも言える「ふわとろの半熟卵」。すき焼きのタレは糖分を含んでいるため、実は一般的な出汁よりも卵液の凝固点がわずかに高くなり、ふんわり固まりやすいという物理的メリットがあります。この性質を活かしたプロ直伝の「2回分け入れ法」を実践すれば、失敗することはありません。
ステップ1:卵の割り方と混ぜ方の極意
卵2個をボウルに割り入れます。ここで「絶対に白身と黄身を完全に混ぜきらないこと」が最大の秘訣です。菜箸をボウルの底につけたまま、白身を4〜5回切るように軽くほぐすだけに留めます。黄身と白身がマーブル状に分かれていることで、火を通したときに白身がふんわりと立ち上がり、黄身がトロリとしたソース状に仕上がります。
ステップ2:1回目の投入(全体の8割)
鶏肉に火が通ってタレがグツグツと沸騰している状態を保ちます。火加減は中火。溶き卵の「約80%」を、フライパンの中心から外側へ円を描くように回し入れます。すぐに蓋をして「中火で約15〜20秒」待ちます。卵の縁がプクプクと膨らんできたら第一段階成功です。
ステップ3:2回目の投入(残りの2割)と余熱フィニッシュ
蓋を外し、残しておいた「20%の卵液」を中心に流し込みます。ここで直ちに火を止めます。すかさず再度蓋をして、「余熱で30秒〜40秒蒸らす」だけです。2回目に加えた生の卵液が余熱でとろりと温まり、専門店のようなグラデーションのある絶妙な半熟テクスチャーが完成します。