ネット上に無数に存在するスポーツコミュニティの中で、なぜ高校野球ファンは今なお「したらば」に集い続けるのでしょうか。その最大の理由は、X(旧Twitter)などのオープンSNSでは書き込みにくい有力校進路情報や内部事情、新チームの序列といった生々しい情報が飛び交う点にあります。
高校野球ファンの間では「公式発表の数ヶ月前にしたらばで名前が挙がっていた有力中学生が、本当にその強豪私立へ進学した」という経験談が後を絶ちません。地域のシニア・ボーイズリーグの関係者、強豪校のグラウンド周辺で頻繁に練習を見学している熱心なファン、あるいは学校OBなどが、匿名性を盾に断片的な情報を投稿しているためです。これが噂の真相と裏情報を求める読者を引きつける強力な磁場となっています。
しかし、ネット上の高校野球ファンの反応を検証すると、書き込まれる情報のすべてが真実とは限りません。中には特定のライバル校を貶めるための意図的なデマや、願望が混ざり合った架空の注目選手スカウト評価も散見されます。熱烈な愛校心と匿名性が結びつくことで、事実と妄想の境界線が曖昧になる現象は、掲示板カルチャー特有の構造的課題といえます。