アブ刺咬の症状は、時間経過とともに即時型反応から遅延型反応へとシフトしていきます。刺された直後は小さな赤みと出血程度で「大したことない」と油断していると、翌日になって患部が倍以上に腫れ上がり、日常生活に支障をきたすことになります。
刺咬直後〜数時間後:噛まれた瞬間に鋭い激痛が走り、出血が止まりにくくなります。次第に赤く盛り上がり、ジンジンとした熱感を伴う鈍痛へ変わっていきます。
24時間〜48時間後(症状のピーク):ここが最大の山場です。遅延型アレルギー反応が本格化し、刺された箇所の周囲5〜10cm以上にわたって皮膚が硬く熱を持って大きく腫れ上がります。足首を刺された場合、くるぶしが埋没して靴が入らなくなるほど浮腫むことも珍しくありません。かゆみは拷問に近いレベルに達し、夜間に無意識に掻きむしってしまう人が続出します。
3日目〜1週間後:適切な抗炎症治療を行っていれば、3日を境に腫れと熱感が引き始め、赤黒い皮下出血斑のような跡へと移行します。完治までの期間は通常1週間から10日程度です。
ただし、一度に数十箇所刺された場合やアレルギー体質の場合、刺咬後24時間以内に38度前後の発熱や悪寒、倦怠感が出現することがあります。傷口から細菌が侵入して「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」を併発しているケースもあるため、患部の熱感が太ももや脇の付け根に向かって急速に広がり、歩行困難や体熱感を伴う場合は、自己判断での経過観察をやめて救急外来や皮膚科を受診してください。