朝の連続テレビ小説といえば、ホームドラマや一代記が王道とされてきた。だが『虎に翼』は、骨太なリーガルドラマとしても第一級のクオリティを誇っていた。法律用語や当時の裁判制度が徹底した取材に基づいて精密に再現され、専門職のプロフェッショナリズムが一切の妥協なく描かれた。
同時に、それは難解な法解釈を一般家庭の食卓へ開かれた対話へと変換する試みでもあった。権利とは何か、平等を求めるとはどういうことか。専門家だけの密室劇になりがちな題材を、万人を巻き込むスリリングなドラマへと昇華させた功績は、放送文化の歴史に深く刻まれている。