ガイドブックのトップページを飾る有名店行列の影で、地元民が足繁く通う鮮魚定食の隠れ家や、昭和の風情を残す大衆食堂が静かに熱い支持を集めている。観光客が見落としがちなこれらの名店には、共通して圧倒的なコストパフォーマンスと妥協のない仕込みがある。
典型的なのが、住宅街の片隅に佇む一軒。ここでは、刺身、煮魚、天ぷらといった主菜に加え、手作りの小鉢が3品、さらに郷土色豊かな味噌汁がついて千円札1枚でお釣りが来る。昼どきになれば近隣の職人やオフィスワーカー、近所のお年寄りで席が埋まり、相席が当たり前の光景となる。観光客向けの演出は一切ない。その素朴で計算のない温かさこそが、長年通い詰める常連たちの胃袋と心を掴んで離さない理由だ。