ジャンルという概念すら、この作品の前では無力かもしれない。本作は、冷徹な科学的ロジックに裏打ちされたSFファンタジーの骨格を持ちながら、神話的で陰鬱なダークファンタジーの血肉をまとっている。流出した美術コンセプトアートには、幾何学的な巨大構造物と、中世を思わせる退廃的な儀式空間が見事に共存していた。
世界観のスケールにおいて、多くの批評家が引き合いに出すのが『DUNE/デューン 砂の惑星』だ。砂漠の生態系と政治劇を緻密に描き切った同作のように、太陽(Sol)と月(Luna)が司る過酷な環境下で生きる人々の葛藤が、圧倒的な情報量で描かれる。観客はただ物語を消費するのではなく、その異世界の空気そのものを吸い込むような感覚に襲われるはずだ。