「抱きしめて 今を抱きしめて…」と繰り返されるサビのフレーズは、永遠の愛を誓いながらもどこか儚さを漂わせる。歌詞全文を注意深く追っていくと、過ぎ去る時間を止めることはできないという冷徹な現実と、その瞬間だけでも愛する人と一つになりたいという切実な願いが交錯していることが解る。単なるラヴソングの域を超えた、人間の孤独と救済のドラマがそこには描かれているのだ。
この緻密でドラマチックな楽曲を生み出したのは、ロックバンドX JAPANのリーダーであり世界的なコンポーザーであるYOSHIKIだ。当時、クラシックとロックの融合を極めていたYOSHIKIが、他アーティストへの楽曲提供として手がけた本作。過密スケジュールを極めるロスアンゼルスでのスタジオ作業の最中、繊細なピアノの旋律と壮大なストリングスのアレンジが極限状態で紡ぎ出されたという。彼が提示した美しくも切ない音世界は、テレビドラマ主題歌という枠組みを遥かに超え、一つの芸術作品へと昇華された。