病室で最期の瞬間まで川島さんに寄り添い続けたのが、2009年に結婚したパティシエの鎧塚俊彦氏でした。意識が混濁していく過酷な状況のなか、川島さんが夫に残した「最期の言葉」と「遺言」は、涙なしには語れないエピソードとして今も語り継がれています。
川島さんは生前、自分が先立つことを覚悟した際、夫へ宛てて手帳に遺言を書き遺していました。そこには、彼女の代名詞でもあった高級ワイン「ロマネ・コンティ」にちなんだ詩的な願いが記されていました。
「できれば再婚しないでね。でも、もし素敵な人が現れたら祝福します」「私が亡くなったら、ロマネ・コンティの葡萄畑に私の灰を少しだけ撒いてほしい」。
そして息を引き取る直前、川島さんはすでに視力を失いかけていたにもかかわらず、枕元にいた鎧塚氏の胸元にそっと手を伸ばし、彼の左胸(心臓の上)をトントンと優しく叩きながら、かすかな声で「ありがとう」と感謝を伝えたといいます。自らの死期を悟りながらも、最愛の伴侶への感謝と深い愛情を貫いた最期の姿でした。