このアイコニックな造形美を語る上で欠かせないキーパーソンがいる。長年彼の髪を手掛け続ける専属スタイリスト、林勲氏だ。ミラノであれモスクワであれ、世界中どこへでもハサミ一本を持って駆けつけるその関係性は、単なる美容師と顧客の枠を完全に超えている。
林氏が手掛けるカットの真骨頂は、ミリ単位のグラデーション設計にある。日本人の頭骨は後頭部が平坦になりやすい傾向があるが、バックの刈り上げ角度をミリ単位で微調整し、横顔のラインが完璧な黄金比を描くよう立体的に構築されている。トップの立ち上がり、額の生え際とのバランス、そしてサイドの色彩の濃淡。メンズ美容・ヘアサロンの現場でも、この緻密な骨格補正技術は一つの究極形として高く評価されている。
数週間に一度、寸分の狂いもなくメンテナンスされるそのルーティンこそが、常に張り詰めた緊張感を維持する彼のメンタリティを支えている。