科学の力を借りて肉質そのものを劇的に柔らかく変える裏ワザが、すりおろし玉ねぎとマヨネーズの活用です。どちらも家庭に常備されている調味料でありながら、プロの仕込みに匹敵する効果をもたらします。
玉ねぎには、タンパク質を分解して柔らかくする酵素「プロテアーゼ」が豊富に含まれています。タレにすりおろした玉ねぎを加え、生肉を15〜20分ほど漬け込むだけで、酵素が硬い筋繊維をほぐし、驚くほどしっとりとした質感に変化します。加熱すると玉ねぎ自体の自然な甘みとコクがタレに溶け込み、冷めても豊かな風味を維持できる点も大きなメリットです。
もう一つの強力な武器がマヨネーズの下漬けです。マヨネーズは植物油・卵黄・酢が完璧に乳化した調味料。お肉大さじ1杯程度のマヨネーズを揉み込むと、微粒子状の植物油が筋繊維の隙間に入り込んでコーティングし、加熱による肉の収縮を物理的に防ぎます。さらに、お酢の持つ酸性効果(pHコントロール)によって肉の保水力が高まり、冷めても肉汁を逃しません。マヨネーズ特有の酸味や油っぽさは加熱によって揮発・調和し、まろやかな旨味へと昇華します。