2000年代初頭、日本発のホラーが世界を震撼させたJホラーブーム。その頂点に君臨した映画『呪怨』(2003年)で主演を務めたのが奥菜恵だった。
東映が配給し、清水崇監督が手掛けたこの劇場版において、彼女は怪異に怯え、追い詰められていく主人公・徳永仁美の恐怖を鬼気迫る表情で体現した。美少女アイドルのイメージを完全に脱ぎ捨て、全編を通して極限のパニックと絶望を演じ切った彼女の女優魂は、日本映画界のみならず海外の批評家からも惜しみない賛辞を浴びることになる。
美しさと恐怖という極端なコントラストを見事に成立させた彼女の存在は、Jホラーというジャンルを国際的なステージへ押し上げる大きな原動力となった。