既製品では満たされない拘りを形にするカスタムメイド市場の拡大も著しい。職人と直接対話しながら、金属の種類、指輪の幅、表面の仕上げ(槌目やヘアラインなど)を細かく指定するスタイルが完全に定着した。既成の枠にとらわれず、二人の共通の思いや思い出のモチーフを静かに刻み込む仕掛けが好評を博している。
さらに、実際に工房へ足を運び、自分たちの手で指輪を叩きだして仕上げるワークショップ型のサービスも熱い視線を浴びている。「もの」を買う消費から「体験と記憶」を買う消費へのシフト。二人がともに過ごした時間そのものが指輪の価値を高めるという発想は、現代のカップルにとって最も魅力的な選択肢の一つだ。