『ポプテピピック』においてポプ子が中指を立てる行動は、単なる突発的な下品さではなく、「世の中のあらゆる理不尽や予定調和に対する痛烈なアンチテーゼ」として機能しています。物語の基本構造は、思慮が浅く感情の起伏が激しいポプ子が理不尽な怒りを爆発させ、それをピピ美が淡々と受け流す、あるいは増幅させるというものです。
海外では重大な侮蔑を意味するファックサインですが、本作においては「脈絡のない怒り」「ネット上の不毛な煽り合い」「読者の予想を裏切る不意打ち」を視覚的に最もシンプルかつ暴力的に伝える記号として使われています。可愛い少女キャラクターが平然と最も下品で攻撃的なサインを繰り出すというギャップが、読者に強烈なカタルシスと笑いを提供したのです。
大川ぶくぶ氏の作風は、アンダーグラウンドなネットカルチャーやゲーム文化へのリスペクトに溢れています。中指を立てるポーズは、小難しい理屈を一切排して一瞬で読者の感情を揺さぶる、まさにウェブコミック時代における究極のリアクション芸と言えます。