次世代を担う娘たちの活躍は、もはや説明不要の領域に達している。次女・安藤サクラは、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した是枝裕和監督の『万引き家族』で見せた圧巻の演技により、世界中の映画人を唸らせた。感情の機微を瞬時に宿すあの眼差しは、父・奥田瑛二の情熱と母・安藤和津の繊細さをそのまま昇華させたかのようだ。
一方、長女の安藤桃子は映画監督としてその才気を開花させた。妹のサクラを主演に迎えて撮り上げた映画『0.5ミリ』は、介護と人間の尊厳をユーモアと鋭い洞察で描き出し、数々の映画賞を総なめにした。奥田瑛二が立ち上げた映画製作会社「ゼロ・ピクチュアズ」の精神を色濃く受け継ぎ、インディペンデントの気概を胸に高知を拠点に活動する桃子のスタンスは、日本映画界において極めて稀有な光を放っている。