「ますや」の魅力を余すことなく堪能するなら、数量限定で提供される玄甘(くろすがた)や極上の一十(といち)蕎麦を見逃してはならない。限られた量しか打てないため、早めの時間帯に完売してしまう幻の一品だ。通常の二八蕎麦とは異なる芳醇な香り立ちと滑らかな喉越しは、蕎麦好きなら一度は試す価値がある。
常連が口を揃えるおすすめの食し方がある。最初はつゆをつけず、そのまま蕎麦だけを2〜3本たぐり、本来の香りと甘みを楽しむ。次に、焼き味噌を少しだけ箸先にとり、蕎麦に直接乗せて味わう。そして最後に、焼き味噌と辛味大根をつゆに溶かし込み、一気にすする。段階を踏むごとに変化する風味のグラデーションに、思わず唸らされるはずだ。