水前寺清子さんの現在を語る上で欠かせないのが、彼女が日本のエンターテインメント界に打ち立てた金字塔です。1964年に『涙を抱いた渡り鳥』で鮮烈なデビューを飾り、着流し姿でこぶしを効かせる唯一無二のスタイルを確立。1968年にリリースされた『365歩のマーチ』は、戦後日本の高度経済成長期を象徴する応援歌としてミリオンセラーを記録しました。
さらに女優としても、プロデューサー石井ふく子氏に見出され、TBS系ドラマ『ありがとう』シリーズに主演。婦人警官編や看護師編などで最高視聴率56.3%(民放ドラマ史上歴代最高)という驚異的な記録を打ち立て、国民的人気スターとしての地位を不動のものにしました。
現在でもステージで披露される『365歩のマーチ』の突き抜けるような高音と力強いアタックは、80代とは思えないハリを保っています。「ワン・ツー、ワン・ツー」の掛け声とともに会場全体を一体化させるカリスマ性は、半世紀以上の現場経験に裏打ちされた真のエンターテイナーの証です。