都市部の分譲マンションや2階建ての戸建て住宅では、仏壇の設置に関して現代ならではの課題が生じます。特に多いのが「仏壇の上の階を人が歩く」ことへの懸念です。
伝統的な作法では、仏様の上に人が立つことは無礼とされます。しかし、現代の集合住宅で最上階に住むことや、2階建ての2階部分に仏壇を置くことが間取り上難しいケースは珍しくありません。この問題を解消する伝統的な対策が「雲(くも)」や「空」「天」と墨書した半紙を、仏壇の真上の天井に貼る作法です。
この文字紙を貼ることで、「この上には何もなく、青空や天が広がっている」という意味を持たせ、上階の生活動線による影響を精神的にリセットできます。文字紙は仏具店や通販で数百円から千円程度で入手可能であり、自筆したものでも問題ありません。貼る向きは、仏壇の正面から見て文字が正しく読める向きにします。
また、仏壇の設置場所と風水の観点では、部屋の気の流れが滞る暗い隅を避け、リビングなど家族が集まる明るい空間に置くことが「陽の気」を呼び込むとされています。伝統的な和室がない間取りでも、リビングのサイドボード上に家具調のコンパクトなモダン仏壇を置くスタイルが近年の主流となっています。