高校野球の地方大会において、点数差によるコールドゲームは一般的に「5回以降10点差以上」「7回以降7点差以上」で成立する。序盤で大量リードを許したチームにとって、この規定は刻一刻と迫るタイムリミットそのものだ。1点でも返せば試合を延命できる局面での攻撃は、通常のイニングとは比較にならない異様な緊張感に包まれる。
一方で、リードしている側のベンチにとっても計算は複雑だ。トーナメント戦を勝ち抜くためには、主力投手のスタミナを消費せずに「早期決着」をつけることが最善の策となる。無理に試合を長引かせれば、控え選手の出場機会は増えるものの、エースの投球数が増加するリスクを抱え込む。勝利と育成、そして投手保護のバランスをどこで取るか、監督の采配には高度な戦略性が求められている。