遺品整理の費用負担を巡って親族間で揉めるケースは非常に多く、事前の法意確認と合意が不可欠です。
法律上、遺品整理の支払い義務は「相続人全員の合意によって分担する」のが基本原則です。実家を相続した人が全額負担するのか、あるいは遺産分割前の被相続人の預貯金(預貯金の仮払い制度などを活用)から清算するのか、着工前に兄弟姉妹・相続人間で書面やメッセージを通じて費用分担の合意を取り交わしておく必要があります。
遺品整理費用は「相続税の控除対象」になるのか?
税務上の重要論点として、原則、遺品整理にかかった費用は相続税の「債務控除」として認められません。国税庁の規定において、被相続人が生前に負っていた確実な債務、または葬式費用のみが控除対象とされているためです。遺品整理は「相続開始後に相続人が自己の判断で行った管理費用」とみなされます。
ただし、被相続人が賃貸住宅に住んでいた場合の「賃貸借契約の原状回復義務に基づく費用」や「敷金精算で賄えない未払家賃・撤去費用」については、被相続人の債務として相続財産から控除できるケースがあります。判断が分かれるため、金額が大きい場合は税理士への事前確認をおすすめします。
自治体の補助金・助成金制度の実態
「遺品整理に国の補助金が出る」というネット上の噂が散見されますが、一般世帯を対象とした遺品整理の直接的な助成金・補助金を設けている自治体は極めて稀です。ただし、一部の自治体では以下のような間接的支援を行っている場合があります。
- 空き家解体・除却補助金:放置空き家の解体に伴う家財道具搬出に対して一部助成が出る制度
- 高齢者世帯向けの粗大ゴミ収集手数料免除・運び出し支援制度
- 生活困窮者自立支援法に基づく葬祭扶助・特別支援枠(生活保護受給者の居留地整理など)