歯が痛む際、良かれと思って行った行動が痛みを何倍にも増幅させてしまう事例が後を絶ちません。最も重要な判断基準は「患部は冷やす、絶対に温めない」ということです。
急性期の歯痛は、歯の内部や歯周組織の毛細血管が拡張し、内圧が高まって神経を圧迫することで生じています。患部を直接氷で凍らせるような過度の冷却は感覚異常を招くため推奨されませんが、頬の外側から冷えピタや水で濡らした冷タオルを当てることで、局所の血流を穏やかに抑え、痛みを鎮静化させることができます。
反対に、以下の行動は血流を急激に促進し、拍動性の激痛(ドクドクと波打つ痛み)を一気に悪化させるため絶対に避けてください。
- 長風呂やサウナへの入浴:全身の血圧と局所血流が上がり、耐え難い拍動痛を引き起こします。シャワーで汗を流す程度にとどめましょう。
- アルコールの摂取:「お酒で麻痺させる」というのは危険な迷信です。一時的に中枢が麻痺しても、血管拡張作用によって数十分後に猛烈な激痛へと跳ね返ります。
- 激しい運動や患部を触る行為:舌や指、爪楊枝で気にして触ると、細菌感染が深部へ広がり、炎症が悪化します。
- 横になって寝る(平らな姿勢):頭部に血液が集まると歯髄腔の内圧が高まります。就寝時は枕やクッションを高く重ね、上半身をやや起こした姿勢を保つのが痛みを和らげるコツです。