栄養学の観点からこの一杯を観察すると、その極端な構成が浮き彫りになる。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、エネルギー産生栄養素バランス(PFCバランス)の理想として、タンパク質(P)13〜20%、脂質(F)20〜30%、炭水化物(C)50〜65%を推奨している。
ところが二郎系の一杯は、脂質が総エネルギーの40〜50%近くを占めるケースが珍しくない。脂質だけで100gを超えることもあり、これは成人男性が2日間に摂取すべき油の量に匹敵する。炭水化物も麺だけで150g以上(おにぎり約4個分)に達し、血糖値の急上昇を招く。タンパク質こそ豚肉から30〜40gほど確保できるものの、ビタミンやミネラルを補うにはあまりに偏った、暴力的な栄養マトリクスなのだ。