熱狂的なマニアたちが語り継ぐ「究極の一杯」を作るには、着丼から口に運ぶまでの数分間に明確な作法が存在する。麺が熱いうちに酢とラー油を丼の縁に沿って素早く回し入れること。並盛りなら2周、大盛りなら3周が基本とされるが、通はここに「刻み玉ねぎ」を惜しみなく投入する。タレの油分を玉ねぎの辛味と水分が中和し、驚くほどのキレとシャキシャキした食感が生まれる。
さらに一段上の境地を目指すなら、半熟たまごに加えて少量のマヨネーズと魚粉を忍ばせるのがマニア直伝の黄金比だ。全体を底から数十回、麺がタレを吸い尽くして乳化するまで徹底的にかき混ぜる。これが麺通を唸らせる至福の瞬間だ。
また、人気店に長蛇の列ができるランチタイムを避け、スマートに名店を堪能する裏ワザも見逃せない。狙い目は平日の15時から17時半のアイドルタイム、もしくは雨天の夜遅い時間帯だ。オフィス街の店舗は土日祝日の昼下がりが意外な穴場となるケースも多い。並ばずに極上の一杯にありつく知恵こそ、現代の食べ歩きにおける最大の武器である。