つわりには多様な病態があり、主に「吐きづわり」と「食べづわり」に大別されます。吐きづわりは水分や食物を受け付けず嘔吐を繰り返す病態であり、食べづわりは胃が空腹になると激しい吐き気や胃痛が生じるため常に何かを口に含んでいなければならない状態を指します。その他にも、唾液が過剰に分泌される「唾液づわり」や、一日中強い倦怠感と眠気に襲われる「眠りづわり」などが複合して現れます。
症状が単なる生理的反応の域を超え、母体の生命維持や代謝に異常をきたす状態を「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼びます。以下は、一般のつわりと妊娠悪阻、そして入院治療が必要となる基準を整理した比較データです。
医療機関で行われるつわりの点滴治療は、脱水状態を補正する電解質輸液に加え、糖代謝不全によるウェルニッケ脳症を予防するためのビタミンB1(チアミン)の補充が中心となります。点滴によって循環血漿量が回復しケトン体の排泄が進むと、劇的に頭痛や吐き気が和らぐケースが多く報告されています。「つわりくらいで受診していいのか」と我慢することは、母体のみならず胎児循環不全のリスクを高めるため厳禁です。