にんにくは発芽する瞬間、休眠状態にあった内部の酵素が一気に活性化し、自らの種子を守り成長を促すための生化学的変化を起こします。この成長過程で生み出される発芽にんにくの栄養と効能は、機能性野菜として極めて高い数値を誇ります。
公的研究機関および食品分析データによると、発芽直後のスプラウトにんにくは通常のにんにくと比較して、抗酸化作用を持つポリフェノール含量が大幅に増加するほか、中枢神経系を落ち着かせ血圧降下作用を持つとされるGABA(ガンマアミノ酪酸)が約3倍以上、造血に関わる鉄分や骨を形成するカルシウムが約8〜9倍に達することが確認されています。さらに、通常のにんにくを摂取した後に気になる特有の「翌日の口臭」が残りにくいという特性があり、平日の食事でも気兼ねなく摂取できるメリットを備えています。
収穫したにんにくの芽や根の水耕栽培での食べ方として、料理人や愛好家の間で圧倒的な支持を得ているのがスプラウトにんにくのレシピである素揚げです。収穫時の草丈が10〜15cm程度になったら根元から引き抜き、水洗いしてキッチンペーパーで水分を徹底的に拭き取ります。
170度から180度の揚げ油に、芽も鱗片も白い根も丸ごと投入し、約2分から3分素揚げにします。水分が抜けるにつれて根の部分はカリカリとしたフライドオニオンのような香ばしい食感へと変化し、中心の鱗片部分はホクホクとした甘みを帯び、緑の芽はアスパラガスに似た爽やかな風味を放ちます。塩を軽く振るだけで、一粒で3つの異なる食感と凝縮された滋味を同時に体感できる極上の酒肴へと昇華します。素揚げのほかにも、刻んで根ごとオイルパスタの具材にしたり、天ぷらや豚肉巻きにする調理法も素材のポテンシャルを最大限に引き出せます。