日本神話『古事記』『日本書紀』において、天照大御神が孫であるニニギノミコトへ授けた「天孫降臨」の神宝から始まった三種の神器。その三つには、古代から受け継がれる明確な象徴的意義が込められています。
八咫鏡は「知(知恵)」、草薙剣は「勇(勇気)」、八尺瓊勾玉は「仁(慈愛)」を表すとされ、理想的な君主が備えるべき徳性を体現しています。
南北朝時代には、三種の神器を保持している側こそが「正統な天皇」であると主張する根拠となり、皇統の正統性を巡る争乱の中心となりました。室町幕府の仲介によって南朝から北朝へ神器が渡された「明徳の和約(1392年)」を経て、現在の皇室へと一本化された歴史を持ちます。
2019年(令和元年)5月1日の「剣璽等承継の儀」でも証明されたように、どれほど時代がデジタル化・高度科学化しようとも、皇位継承の瞬間には必ずこの三種の神器が継承されます。目に見えない霊威を信じ、形を変えずに受け継ぐ姿勢そのものが、世界最古の世襲王室とされる日本皇室の屋台骨となっています。