日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会などの臨床データや医療相談の現場において、耳の痛みを主訴に来院する患者の約20〜30%は、外耳炎や中耳炎などの耳自体の病変が見当たらない「耳外性(外因性)の耳痛」と判定されています。
大手Q&AサイトやSNSのコミュニティを調査すると、「何軒も耳鼻科を回ったが異常なしと言われ、精神的なものとして片付けられた」「耳の奥の激痛に耐えかねていたが、整体で首の付け根をほぐされたら一気に痛みが引いた」といった投稿が多数確認できます。このように、患者側の主観的な「耳の激痛」と、耳鼻科医による「鼓膜の所見」との間には大きなギャップが生じやすいのが実態です。
医療現場の観察からも、近年はリモートワークの定着とスマートフォンの長時間利用に伴い、首の深層筋(後頭下筋群)と顎の噛み締めが常態化している患者が顕著に増加しています。耳の痛みを訴える患者の首・肩・顎を触診すると、ほぼ例外なく強い圧痛反応が確認されるのが現場のリアルな光景です。